240万人の人出!コパカバーナのNew Year's Eve Party&花火
Rio’s firework display | © Leandro Neumann Ciuffo/WikiCommons
Olá!年末年始のカウントダウンを海外で迎えるなら、ブラジルリオデジャネイロのコパカバーナビーチで花火はいかがでしょうか。リオのカーニバルに並ぶリオデジャネイロの大きなイベントの1つで、コパカバーナビーチ沿いに建つ全てのホテルから空室がなくなる、大盛況の年末年始のイベントの様子をご紹介したいと思います。
01.どういうイベント?
舞台は4.3kmあるコパカバーナビーチ全域。複数の音楽と新年の幕開けを祝う花火の全てが無料で、誰でも楽しむことの出来る、世界でも有数の大規模な屋外イベントです。
コパカバーナビーチにあるCopacabana Palace Hotelの前に巨大野外ステージが設置され、2018年は、DJや人気歌手、ファンク、レゲエ、ロックの他、2017年カーニバル優勝チームのサンバダンサーも参加し、10の音楽イベントが行われました。12月31日19時頃から音楽イベントが始まり、1月1日0時ぴったりに、新年を祝う17分間の壮大な花火のショーがスタート。その後ブラジル人気歌手のコンサートがあり、朝までパーティーが続きます。
1980年代から続いているNew Year's Eve Partyで、花火はコパカバーナビーチ沿いであれば、ホテルでも、ビーチでも楽しむことが出来ます。
Rio 2018 New Year’s Eve opens the “Rio de Janeiro a Janeiro” project with ten parties across the city, including Copacabana’s seventeen minute fireworks spectacle, photo by Gabriel Monteiro/Riotur.
例年、200万人程が参加する大きなイベントですが、2018年は240万人という過去最大規模になったとのことでした。(現地旅行会社Riotour調べ)ビーチは写真の通り、波打ち際から普段車が走る道まで、全て人で埋めつくされます。日本の夏の風物詩「隅田川花火大会」の人出が約100万人ですから、自分史史上最大級の花火イベントになるはずです。
02.楽しみ方は?
12月31日の昼間からビーチでお酒を飲んで過ごすも良し、カウントダウンから花火のショーを楽しんで帰るも良し、朝まで踊るも良し。楽しみ方は自由自在です。なお、この日は是非白い服で出かけましょう。
ブラジルでは、白は繁栄と平和をもたらすと古くから考えられており、新年のお祝いに白い服を着るということが伝統的な形式として残っています。(他にも、緑は健康、黄色は金運、赤は愛という意味を持つそうです。)New Year's Eve Partyへは、白い服でドレスアップ!参加者全員で白いウェーブを作るかのような景色と一体化しましょう。
People wearing white | © Porto Bay Hotels & Resorts/WikiCommons
白に埋めつくされた景色の中で、ビーチ遊びに慣れてるな~とブラジル人に感心した光景は、クーラーボックスに氷を詰められるだけ詰めてビール、ワインを持参するグループの多さと、小さい子供も一緒にビーチパーティーを楽しむ家族の様子でした。
その他ビーチで見かけた姿は、海の女神Iemanjáに願い事を叶えてもらう2つの儀式です。1つは花を海に投げ、その花がIemanjáに届いたら新しい年に願い事が叶うというもの。もう1つは、新年になったら、願い事を唱えながら来る波を7回ジャンプし、振り返らずにビーチを後にするというもの。いずれも日本の初詣と随分異なるブラジルのお願い事スタイルですが、新しい年の運勢占いに(?)試してみるのも面白そうです。
03.注意点
今回経験してみて、以下4点の注意をすれば、とても楽しめるイベントだと思いましたので、今後参加する方の参考にまとめます。
①ホテル・フライトを早めに予約
とにかく空がなくなります。旅行で訪れる場合は早めに予約をすることをお勧めします。私は現地に住んでいることもあり、1か月前にホテルの予約をしようとしたところ、12/31は全てのホテルが満室で既に空室はなく、残っていたのは12/30チェックイン一泊20万円の部屋のみでした。(高過ぎてホテルは諦め、ビーチで楽しむプランに変更しました)
②会場までの移動手段を確保
ビーチ沿いのホテル滞在であれば、ホテルから花火を見ることも出来ますし、目の前のビーチに徒歩で行くことも可能です。そうでない場合はメトロかタクシーでの移動になります。
メトロは、イベントが開催される12月31日~1月1日の間終日運転していますが、普段のメトロチケットでは乗れません。専用乗車券が必要ですが、夜には売り切れているので要注意です。私の場合、当日22時頃にメトロに乗ろうとしたら本日分のチケットは完売と言われ、タクシーで移動しました。メトロを使うなら、事前購入可能なのでチケットを確保しておきましょう。
タクシーは、ビーチまで歩いて10分程度というかなり近くのポイントまで行けました。12月31日はビーチ前の道路は全車両通行止め、ビーチ手前のトンネルでは一般車両の通行規制がありますが、案外スムーズでした。帰りも、意外とあっさり拾えましたが、通常のメーター運転ではなく、言い値(通常の2~3倍)でした。もう少し歩いて大通りに出ればたくさん流しのタクシーがあったので、メーター運転でも帰れそうな様子でした。
New Yearを祝う花火の時間が近づくと、ビーチに続く道は人々で混み合って動きづらくなるので、早めにコパカバーナビーチに移動して、近くで食事をしながら時間調整をするのも一案だと思いました。多くのレストランが営業していました。
③スリに気を付け、貴重品管理は一層厳重にする
イベント会場は、スリやひったくりの続出エリアです。こんなに多くの人が集まり、無防備に携帯電話で花火の写真撮影をする環境は、犯罪者にとってはまたとないチャンス。
実際、隣にいた集団が携帯を取られそうになったらしく、犯行をした子供を捕まえ、もめていました。必要最低限の荷物だけを持ち、くれぐれも周囲へ目を光らせて、徹底管理をしましょう。
リオデジャネイロの治安についてはブラジルリオデジャネイロの治安と滞在中気をつけていること - handy tips*にまとめているので、是非一読して頂くと、犯罪のタイプや対策が分かると思います。
④トイレも余裕を持って
すぐにホテルに戻れるなら問題ありませんが、設置されている公衆トイレ(特に女性)は長蛇の列でした。ビールもシャンパンもワインも美味しく飲みながら新年を待てますが、トイレに行くのは余裕を持っておいたほうが良さそうでした。
リオデジャネイロ生まれのカリオカは遊びを楽しむ天才を自負しています。生まれながらのParty Peopleカリオカと一緒に、みんなでHappy New Yearを迎える年越しイベントは、きっと素敵な経験になると思います。Boa viagem(Have a nice trip)!
ブラジルリオデジャネイロの治安と滞在中気をつけていること
Óla!こんにちは。2017年10月からリオデジャネイロに住んでいます。雄大な自然、陽気な人、美味しい食事、賑やかなイベント、ポップで可愛い雑貨・・・ どれも本当に魅力的で、是非たくさんの人に現地で熱気に触れて欲しいと、ブログを始めたわけですが、同時に、ブラジルに来るなら、日本とは全く違う治安の情報を持って滞在してもらいたいと切に願っています。
今回は、リオデジャネイロの治安状況がどんなものか、数字と背景をご紹介した後、現地で人間観察をしながら防犯のために私が日々実践していることをご紹介します。<実践編>はかなり具体的に記載しましたので、参考にして頂ければと思います。
私は日本、シンガポールという超がつくような治安のいい国を経て、ブラジル入りしました。気をつける、ってどういうことかのイメージがなかった私。目にするブラジルの治安情報は見れば見るほど恐怖心を煽りました。公開されている情報はもちろん事実で、知っておくべき現実な一方、ビーチやバーでお酒とともに太陽や音楽を謳歌する現地の姿もまたリアルです。南米ならではの魅力を安全に満喫する人が増えたら嬉しいです。
01.数字でみるリオデジャネイロの治安状況
まず初めに衝撃的な数字をご紹介します。
殺人:27.9倍、強盗:829.7倍、窃盗2.53倍
この数字は、2016年の人口10万人あたりのリオデジャネイロと日本との犯罪発生状況より算出された犯罪発生率で、日本の何倍かという数字です。
(在リオデジャネイロ日本国総領事館の2017年11月「安全の手引き」http://www.rio.br.emb-japan.go.jp/files/000310753.pdfより)
さて、こんな犯罪発生率を見ると、何のためにブラジルに行こうとしているんだっけ?犯罪に遭うため?という気持ちになるかもしれませんね。私はそうでした。いったん、そんな気持ちになるのも、安全な国から遊びに来る場合の防犯にとても大切なことだと思い、敢えてインパクトの強い数字をご紹介しました。
上記「安全の手引き」は全体で14ページのレポートですので一読をおすすめします。
その他各公的機関も様々なデータをまとめていますので、ご参考URLをご紹介します。
・外務省海外安全ホームページ海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報
リオデジャネイロはレベル1=十分注意、です。ブラジル以外の渡航先についても情報が得られます。
・在ブラジル日本国大使館在ブラジル日本国大使館
安全対策のページにリンクしています。
・在リオデジャネイロ日本国総領事館リオの治安情報 : 在リオデジャネイロ総領事館
2017年度に発生した事件一覧にリンクしています。
02.ブラジルの治安が悪い理由
さて、どうしてブラジルはこうも犯罪が多いのでしょうか。ホテルやビーチ、レストランで出会う多くのブラジル人は陽気で親切なので、なかなか信じられません。しかし、ブラジルにおける貧富の差、独特の地形、そして銃の流通という3つの社会背景が、日本とは異なる犯罪を発生させていると考えています。
(1)貧富の差
ブラジルの貧富の差は残念ながら世界でも有数です。世界的ベストセラーとなった「21世紀の資本」で知られるフランス人経済学者のトマ・ピケティ氏率いる研究グループの調査によると、ブラジルの経済格差の大きさは、中東諸国に次ぎ、インドやサハラ砂漠以南諸国と同じ水準である事がわかったとのことです。
2017年12月14日発表の世界格差調査によると、2016年のブラジルでは、経済的に豊かな上位10%が全体の富の55%を所有し、一方貧しい方から50%の人が所有していた富はわずか12%だったそうです。
また、ブラジルの地理統計院(IBGE)が2017年12月20日に発表した、国内諸市の生活水準調査報告書によると、農村以外の地域に住む人(統計上の都市人口)の76%(4人に3人)は標準以下の環境で暮らしている事がわかったと、21日付現地紙が報じています。
同調査では、市街地住民の生活環境(条件)を、住居、衛生設備(上下水道など)、学歴、所得、購買活動の利便性、ネット環境などの諸項目を基に、A(最高)~K(最低)の11段階にランク付けし、A~Dランクを「適切な環境」、E、Fを標準としていますが、首都であるブラジリアでは、全体の11%の人々がAランクの環境で生活する一方、北東部の諸州では、ほぼ6割の人がGランク以下の環境で暮らしているそうです。(ニッケイ新聞2017年12月16日22日記事より)
(2)地形
お金も仕事も集まる大都市では二極化した人々がすぐ近くで生活しています。
中でもリオデジャネイロは、その独特な地形からなる「山と海との間のカリオカの景観群」が世界遺産登録されていますが、山側には、斜面などの通常は家を建てられないエリアに、バロック小屋等の簡易な建物を作り不法占拠しているファベーラ(スラム街)が形成されていて、リオデジャネイロだけで1,000か所以上あります。
ファベーラの一例。山の斜面に建物が密集している。
ファベーラは今や世界的なイベントであるリオのカーニバルの発祥地である一方、麻薬販売組織などの温床であったり、日々の生活の困窮から犯罪に手を出す人が絶えません。
一方、海側は限られた平地にホテルやコンドミニアムがひしめいています。
(3)銃
銃を持つことは法律で厳しく規制されているものの、連邦警察に登録すれば個人所有が可能です。犯罪に使われる銃は不法密輸のものが多いですが、流通経路があるというのも日本との大きな違いです。
このような背景から、麻薬犯罪組織の抗争事件、銃器やナイフを使用した路上強盗、自動車強盗事件及び商店に対する強盗事件等が頻発しています。
特に麻薬密売組織間の抗争に治安当局が介入した銃撃戦がスラム街で昼夜を問わず発生し、多くの一般市民が巻き添えになって死傷しています。
さらに、外国人旅行者を狙った置き引き、ひったくり、強盗等がコパカバーナやセントロ地区を中心に頻発しています。
手口は、自転車又は徒歩で接近し後ろから追い越しざまにひったくる、前後から挟み込んだり数人で取り囲む等して財布を抜き取ったり手荷物を奪う、一人が親しげに話しかけ、それに対応している間に他の一人が荷物を奪い去る等の手口があります。
手荷物だけでなく、スマートフォン、腕時計、カメラ、ビデオ及び装身具も狙われます。(銃以降の記載は外務省海外安全ホームページ: 安全対策基礎データより抜粋)
03.滞在中に気をつけること<実践編>
では、滞在中は何に気を付けるべきでしょうか。それは万が一事件に巻き込まれた場合、かなりの確率で相手は銃を持っているのですから、最も優先すべきは、事件に巻き込まれないようにすることです。
そこで、私が日々実践していることをご紹介します。
1.ファベーラなど危険場所へは近づかない
最近はファベーラツアーなどもありますが、犯罪組織の温床であり、死傷者が多数出るのは、犯罪組織間の抗争時の銃撃戦とそれを止める軍警察による発砲の流れ弾にあたるというケースです。ファベーラでの緊張状態は不安定で、日々どこかしらで銃撃戦が起こっていることを考えると、近づかないのが一番だと思います。
2.夜間は決して歩かない
22時以降は必ずタクシーを使い、その前の時間でも日が落ちて暗くなったら歩きません。現地の駐在員の方からは100m先の場所への移動でも車を使うように言われました。ちなみにUberはタクシーの半額程度、運転手のレビューを事前確認出来るのでおすすめです。通常の黄色いタクシーを使う場合は、車体に通し番号があるかを確認しましょう。
3. 携帯をむやみに出さない
携帯は世界中で流通出来るので、ひったくりが頻発しています。ファベーラには月収3万円に満たない生活をする人々がたくさんいますが、その人にとっての10万円のiphoneは、私達の目の前に100万円の札束が無防備に現れるのと同じようなイメージです。携帯を使う際は周囲の様子を確認してからにしましょう。
4.ラフな格好でいる
どうせ襲うなら相手だって1度でたくさん収穫のある人を狙います。お金持ちそうにみえるとターゲットにされやすいので、高価なアクセサリーはリオでは外しましょう。私は時計やネックレスはしていません。(ピアスは現地の人もしているので着けています。)また、服装もビーチサンダルに合うラフな格好が、観光客っぽくなくて(地元っぽくて)良いそうです。ブラジル発祥ビーチサンダルメーカーハワイアナスのショップがたくさんあるので、お土産を兼ねて購入するのもいいと思います。
5.なるべくカバンを持ち歩かない
クラッチバックは封印しました。犯罪者から見れば「大事なものが入ってます」というシンボル以外の何物でもありません。同じ理由で最近はポシェットを後ろから外すという新手の犯罪も出てきています。トートバッグやリュックをしっかり抱えている人は多いですが、現金や携帯をポケットに入れて、手ぶらで歩けるならそれがベターです。
6.怪しいと感じる人がいたら距離をとる
生活に困って犯罪に手を染めているので、犯人は裸足だったり、あまり衣服を身に着けていない少年だったりすることが多いです。(18歳未満の少年は刑務所にいかなくて済むため、組織の最年少の子供にスリなどをさせることが多いようです)日本にいるときよりも「空気を読む」力を使い、怪しいと感じたら道を変えるなども1つの手段です。
7.後方確認をする
警戒心をあらわにすることも有効です。ブラジル人はよく後ろを振り返ります。
8 昼間でも人通りの少ない道は通らない
人通りの多い場所でも犯罪は起きますが、少数の人間を集団で襲うことが多いため、人多りの少ない道は避けたほうが無難です。
9.持ち物や金銭を分散する
万が一事件に遭ってしまったら、多少のお金は渡すことになるので、お財布ごと全て取られるよりも、50レアル程度の現金を手渡せるようにしておくと、被害が最小限に出来ます。現金やカードはポケットに分散して持ち運んでいます。
10.犯罪に遭ってしまったら抵抗しない
安全を第一に考え、抵抗しないことが大切です。9.に書きましたが、多少の現金は渡しましょう。命は買えません。なお、現金を出す際に、慌ててポケットに手を入れると、銃を出す動作と相手が間違えるケースがあるため、ゆっくりと抵抗しないという姿勢をみせることが大切だそうです。
11.外では意識がなくなるまで飲まない
道路で寝ても安全な国は日本くらいです。自力でホテルに帰る力は残しましょう。ちなみに、私はお酒を飲むとかなりテンションが上がるタイプで、ある日のタクシーの待ち時間、知らない人が近づいてきたことに気が付きませんでした。その人は幸い犯罪者ではなく、むしろ、そのままだと犯罪に遭うから気をつけろとの忠告をしてくれました。レストランの中、タクシーの中、ホテルの中、目的地に着くまでは、周囲への意識をなくさないようにしましょう。
以上を実践し、執筆現在私は犯罪に遭っていません。(11.はギリギリでした。10.までを意識していると、普段の生活では案外大丈夫だな、という気持ちになりますが、気が抜けたときが一番危ないという実例。油断禁物です。)
海外でよくある、親切そうに話しかけたり手伝ってくれると詐欺だった、というぼったくり経験はブラジルではなく、街で出会うブラジル人は純粋に、寛大で温かな良い人ばかりだと思います。
さて、ここまで読んで頂いて、少し気持ちが沈んでしまったでしょうか。日本とはだいぶ違うということを知った上で滞在するなら、きっと楽しい旅になるはずです。
リオデジャネイロと言えば鉄板の絶景!コルコバードの丘のキリスト像への行き方 - handy tips*や、ビーチ遊びならリオ市無形文化遺産・コパカバーナ海岸発祥「フレスコボール(Frescobol)」でビーチ遊び!@ブラジル・リオデジャネイロ - handy tips*など、ブラジル、リオデジャネイロは魅力が盛り沢山です。最高の思い出をたくさん作ってくださいね。Boa viagem!
迫力の絶景!世界一の水量イグアスの滝の行き方と見どころ
世界三大瀑布の一つに数えられるイグアスの滝。その中でも世界一の水量を誇るイグアスの滝は、旅行前の下調べで様々な写真を見ていてもなお、現地のスケールは想像を上回る迫力でした。ブラジル側、アルゼンチン側どちらも観光した行き方と見どころについてご紹介したいと思います。
(注)私達は急遽連休が出来、直前の手配になったため、国立公園内のホテルは満室でした。ベルモンドホテル(ブラジル側)、シェラトンホテル(アルゼンチン側)は、どちらも国立公園内というロケーションで、空室があるなら移動時間を最小限に出来るのでおすすめです。近くの町フォス・ド・イグアス(ブラジル側)とプエルト・イグアス(アルゼンチン側)にそれぞれ宿泊しましたが、ホテルは数千円から空きがありました。
01.イグアスの滝への行き方
イグアスの滝は、ブラジルとアルゼンチンの間を流れるイグアス川に位置しています。両国ともにイグアス川沿いに国立公園があり、タクシーやバスで30分程度の距離に国際空港があります。国立公園の園内を散策しながらイグアスの滝を見学します。近郊の町へのアクセスにもタクシー、バスが使え、ブラジル、アルゼンチン間の国境超えもスムーズでした。
私達はリオデジャネイロからブラジル側国際空港であるフォス・ド・イグアス国際空港(Aeroporte Internacional de Foz do Iguaçu=IGU)に移動し、その後ブラジル一泊、アルゼンチン二泊の上、同フォス・ド・イグアス国際空港からリオデジャネイロに戻りました。その行き方をご紹介します。
リオデジャネイロより2時間のフライトでフォス・ド・イグアス国際空港に到着します。長距離バスも出ていますが、15~20時間かかるため、飛行機がスムーズだと思います。
空港からはタクシーかバスで移動します。ブラジル側フォス・ド・イグアス国際空港のタクシー、バスの乗り場はどちらも空港ターミナルを出て左、インフォメーションデスクの奥あたりにあります。
ここから陸路でブラジル、アルゼンチンどちらにも移動が出来ます。
<ブラジル側に行く場合>コストパフォーマンスの良いバス移動がおすすめです。国立公園へもフォス・ド・イグアス市内へも緑のバスの120番に30分程乗ります。運行は20分間隔です。支払いは現金のみで、一律1人2.9レアル。乗車時に支払います。
LINHA=LINEの意味。120と前面に書かれた路線に乗ります。
空港から120番に乗った終点の市内のバスターミナル。
<アルゼンチン側へ行く場合>タクシーがおすすめです。バスも走っていますが、イミグレーション手続き中に待ってもらえないため、次のバスに乗る必要があり、タイムロスが大きくなります。タクシーは出入国書類を積んでおり、ブラジル出国、アルゼンチン入国の2度のイミグレーション手続きを先導してくれます。私達は(1)ブラジル側国立公園からアルゼンチン市内のホテルへの移動と(2)アルゼンチン市内からブラジルの空港への移動でタクシーを使いました。ブラジルもアルゼンチンもメーターはなく、事前に金額を伝えられます。(1)80レアル(2)500ペソでした。
イミグレ―ションはブラジル側は車から降りて事務所に立ち寄ります。
出国のスタンプをもらったら、車に乗り込みアルゼンチン側のイミグレーションへ移動。アルゼンチン側は車に乗ったまま手続きを行いました。
アルゼンチン側の町プエルト・イグアスからアルゼンチン側国立公園にもバスで行けます。バスターミナルで往復チケットを購入し、終点が国立公園です。乗車時間は30分程、1人150ペソ。こちらも20分間隔で運行しています。
ちなみに、現在リオデジャネイロ在住の私達は、シュラスコよりもアルゼンチンビーフを求めてプエルト・イグアスの町の滞在を多くしました。免税店やカジノがあったり、バスターミナルを挟んだ道沿い(Av.CórdobaとAv.Misiones)にはおしゃれなレストランが集中していました。宿泊するならバスターミナル徒歩圏内が便利だと思います。人口3万人の小さな町で治安もよく、夕食の後は歩いてホテルに戻りました。
02.ブラジル側イグアスの滝
フォス・ド・イグアス市内のバスターミナルから120番のバスに乗り、緑に囲まれた道を終点まで乗ると国立公園に到着します。
チケットとロッカーの使用料を支払います。入園料1人63.6レアル、ロッカー1つ30レアル。
2人分のボストンバッグが余裕で入る大きさです。スーツケースやバックパックのリュックも入れられるサイズでした。
入り口付近には複数の言語で話しかけてくれるボランティアスタッフが多数いました。園内のマップを渡されオプションツアーの説明などを受けました。当日申し込みが可能です。
地図左側が入り口、中央グレーの道をバスが走ります(運賃は入園料込み)。ボートや、サイクリングは有料オプションですが、右側の滝へ続くベージュの道は入園料込みで、歩いて滝の近くまで行けると教えてもらいました。
身軽になったら、園内バスで移動します。ブラジル側のバスはポルトガル語の後に英語のアナウンスがありました。終点まで乗ることも出来ますが、園内のベルモンドホテル前にて下車し、滝の上へせり出す展望橋まで歩いて行きました。
ベルモンドホテル前から階段を数段降りると早速滝が見えます。
途中、ハナグマの群れに遭遇したりしながら整備された歩道を進みます。
最も滝に近づける場所に到着します。
展望橋を渡り、悪魔ののどぶえが正面に見えるポイントまで歩きます。ここは常に水しぶきが発生していてびしょぬれになります。ほとんどの人がカッパを着用していました。
どこを見ても滝と絶えることのない水。壮大です。
この後ランチをPorto Cantas Restaurantという滝の上流にあるレストランでとりました。オプショナルツアーはアルゼンチン側で申し込むことにしていたため、滝の見学と昼食で3時間ほどの滞在でした。
03.アルゼンチン側イグアスの滝
プエルト・イグアス市内のバスターミナルから国立公園へ移動、終点で降ります。ブラジル側とは雰囲気が違い、ボランティアスタッフのような人はいなく、チケット売り場に人がいるのみで、英語が話せる人も限られていました。園内マップも自分で探して手にしました。
アルゼンチン側は入り口のチケットのみ現金での購入が必要(カード不可、チケット売り場手前にATMあり)、それ以外の園内の支払いは全てカード利用可能でUSドルやレアル払いも出来ます。入園料は1人500ペソ。アルゼンチン側もオプショナルツアーの当日申し込みが出来ます。
ロッカーに荷物を預けられるのは同じですが、こちらはお土産屋さんに声をかけると鍵を貸してくれるという仕組。アルゼンチン側のほうが自然公園という雰囲気が強いと感じました。
アルゼンチン側は、歩いて周れる場所が豊富にあり、1kmを超えるコースも複数あります。(地図中央部の赤い道は1.7km、青い道は1.4km)
まず、私達はアルゼンチン側で申し込むと決めていたボートツアーの予約をしに行きました。入園して150m程歩いた右手に、ボートツアーの申し込みブースがあります。黄色いシャツがツアースタッフさんの目印。
全行程2時間のツアーで、5kmほど森の中をバスで移動してからスピードボートに乗り込み、滝を見学しながら、最後は滝へアタックという盛沢山のツアー。前日のブラジル側の公園で時間に余裕があったので、のんびり出かけて行ったら、今日のツアーは11:30開始のツアーに数席残りがあるのみで、時間が合わないならまた明日、と言われ慌てて申し込みました。1人950ペソ。
結論、最高に楽しいです。最後の滝へのアタックは、これでもかという程ボートを運転するおじさまが滝に突っ込んでいってくれるので、全身水浸しになります。
ボートでは、乗船時に防水バックが配られ、滝に入る前に再度しっかりバックを閉めるようガイドがありました。いつの間にか運転手他スタッフの方達は完全防水武装になっていたのが後で納得。私達はカッパを着てましたが、留め具の隙間から水がどくどく入ってくるわ、最後まで目を開けていられないくらい滝に突っ込むわで、大量の水と戯れました。
普通の洋服ではなかなか乾かないくらい濡れるので、替えの下着を持って行って、水着+カッパで乗船するのがおすすめです。
その後着替えを兼ねてランチを取り、登山電車終点のGarganta Stationへ行きました。走行中のアナウンスはなく、鐘の音が電車の到着を知らせます。登山電車は30分間隔で園内を走行しています。
登山電車を降りてから約1km歩いた先に悪魔ののどぶえがあります。歩き始めの景色は穏やかそのもの。
だんだんと水が吸い込まれていく様子が見えてきて、
ついに悪魔ののどぶえとの対面!
悪魔ののどぶえというのは、大量の水が流れ落ちる轟音がまるで悪魔の唸り声のようであることから名づけられたそうです。迫力の絶景です。
禅を組んでいるような人もいて、そんなことをしたくなる気持ちも分かるような、しばらく見とれてしまう圧巻の景色でした。最も近くでイグアスの滝を感じられる最大の見どころだと思います。
その後、登山電車で1駅戻ったCataratas Station周辺を散策。
橋を渡る途中に大きな虹も見られました!
アルゼンチン側の公園は歩けるところが多く、18時の閉園を少し過ぎるまで歩き回りました。どの角度からも美しい景色が広がっていて、感動の連続でした。
04. あると便利な持ち物
ブラジル側アルゼンチン側を観光してみて、あるといいと思ったものは、
カッパ、水着、タオル、替えの下着、携帯用の防水グッズ、日焼け止め、ビーチサンダル、自撮り棒、スニーカー(登山靴でなくて大丈夫)、虫よけスプレー、長ズボン
です。ブラジル側もアルゼンチン側もかなり濡れることになるので、カッパは両日使いました。もちろん現地でも売っていますが、長めのものなどを持っているなら持参するといいと思います。また、自然の中を歩くので、虫刺されへの注意喚起があります。私は散策中はスニーカー+デニムで足を出さないようにしていました。
圧倒的な自然と、ブラジル・アルゼンチンどちらで食べても美味しい豪快な牛肉は南米ならではの醍醐味。イグアスの滝観光は食事も含めて大満足の旅になりました。
リオデジャネイロに立ち寄るなら、絶景!コルコバードの丘のキリスト像への行き方 - handy tips*も参照くださいね。Boa viagem!
絶景!コルコバードの丘のキリスト像への行き方
リオデジャネロといえばキリスト像をイメージする方も多いのではないでしょうか。リオデジャネイロのアイコンともいえるキリスト像は、コルコバードの丘(Morro do Corcovdo)にそびえ、街を見下ろしています。ここは2012年度登録の世界遺産「リオデジャネイロ:山と海と間のカリオカの景観群」に含まれ、更に、新・世界七不思議の1つとして万里の長城やインドのタージマハールなどと共に世界中からの投票によって選出された場所です。ちなみに日本語では新・世界七不思議と訳されていますが、原語はNew Seven Wonders of the Worldで、謎めいて不思議な、という意味ではなく、驚異的なという意味です。
ブラジルは世界自然遺産や新・世界七不思議自然版にもアマゾンやイグアスの滝が選出されるなど、見どころの多いところですね。
今回は、コルコバードの丘のキリスト像への行き方と現地の様子をご紹介します。
登山電車乗り場
住所 R. Cosme Velho, 513 - Cosme Velho, Rio de Janeiro - RJ, 22241-091
登山電車乗り場までの行き方
タクシーかバスで移動します。
私達はUberで移動しています。ブラジルでは通常のタクシーよりもUberのほうが安く(およそ1/2くらいの金額)、その場での現金のやり取りが不要なためUberの移動はおすすめです。
公共バスは複数出ています。Centro( Praça XV広場) からは422/498/180番、Ipanemaからは570/583/584番、Copacabanaからは583番に乗車し、降車場所はSão Judas Tadeu Church前です。
チケット
現地にて当日購入も可能ですが、その場で数時間待ちということもあり得るのでオンラインにて事前購入がおすすめです。HPかアプリから購入できます。ポルトガル語、スペイン語、英語表記があります。乗車時間に遅れても返金されないので余裕を持って移動しましょう。
予約サイト http://www.tremdocorcovado.rio/
App Store Trem do Corcovdo-official
購入画面を見せるとチケットと交換されます。
チケット代
ハイシーズン 1人75レアル(土日祝日はハイシーズン扱い)
ローシーズン 1人62レアル(祝日を除いた月~金曜日)
子供(5~11歳)はシーズン問わず1人49レアル
往復の登山電車運賃と頂上のキリスト像入場料込みの値段です。
営業時間
毎日8:00~19:00、30分間隔で運行していて、乗車時間は片道約20分です。
登山電車の歴史
1884年に出来た登山電車はブラジルで初めて電気を使った電車で、法王や王女、首相も乗りました。現在走っている電車はスイス製のモデルに変わりましたが、電気走行は変わらず、森林の中を走っても自然に害を与えないエコツアーと考えられています。また、チケット購入代金の一部は自然保護団体 Brazilian Institute of the Environment(IBAMA)に寄付されています。
途中の急斜面から見る景色も見どころの1つで、街の景色は登り時進行方向右側に広がります。
登山電車の終点で下車し、そこから更に100段を超える階段を上ると、キリスト像が見えてきます。後ろ姿はまだまだ小さいです。階段の途中にお土産を売るお店やカフェがありました。
頂上に到着すると、巨大なキリスト像と、遠くからは見えなかった人・人・人とのご対面!
寝そべって、キリスト像全体を写真に捉えるスポットもあります。
頂上からはキリスト像だけでなく、世界遺産登録のリオデジャネイロの景観をぐるりと見渡せます。
下の写真左端中央には、縦に立てた砂糖パンのような岩ポンヂアスーカルも見えます。
近くに立つと写真で捉えきれないくらい大きいキリスト像ですが、その後街に降りて振り返ると、おもちゃかのように小さくみえるのも、現地だからこそ味わえる感覚で楽しいです。
眺望の中にあったポンヂアスーカルは、ベンチに座りながらゆったりリオデジャネイロの景色を楽しめる観光スポットで、世界遺産リオの絶景を一望!ポンヂアスーカル奇岩観光 - handy tips*にてご紹介しています。
この後ビーチに遊びに行くのであれば、リオ市無形文化遺産・コパカバーナ海岸発祥「フレスコボール(Frescobol)」でビーチ遊び!@ブラジル・リオデジャネイロ - handy tips*もおすすめです。体を動かした後はブラジルのよく冷えたビールがますます美味しく飲めますよ。Saúde!
世界遺産リオの絶景を一望!ポンヂアスーカル奇岩観光
2012年に世界遺産登録されたリオデジャネイロの「山と海との間のカリオカの景観群」に含まれているポン・ヂ・アスーカル( Pão de Açúcar=砂糖パンの意味)。
ロープウェイで登って行くと、コルコバードの丘のキリスト像を含めたリオデジャネイロの街が一望出来ます。夕方頃到着すれば、時間の経過とともに夕焼け~夜景へと移り行く景色をベンチに座りながら楽しめます。
ここはリオデジャネイロでも治安がいいと言える場所の1つ。奇岩があまりに急斜面のためファベーラ(スラム街)が形成されず、麓にあるベルメーリャ海岸(Praia Vermelha)では、夜でも釣りやBBQを楽しむ人がいます。個人的には夕方ポンヂアスーカルへ向かい、ウルカの丘のベンチでゆっくり過ごした後、ベルメーリャ海岸に立ち寄るのがおすすめです。有名なコパカバーナやイパネマ海岸は防犯の観点から日が落ちたら遊べないため、夕方の時間帯の観光にうってつけの場所だと思います。
以下、アクセスと現地の様子をご紹介します。
ポンヂアスーカル(Pão de Açúcar)へのロープエウィ乗り場
住所 Av. Pasteur, 520 - Urca, Rio de Janeiro - RJ, 22290-240
(英語ではSugar Loafと呼ばれています)
チケット売り場とロープエウィ乗り場
絶壁を背中にした建物がチケット売り場兼ロープウェイ乗り場です。階段を上がって左手のカウンターでチケットを買い、更に階段を上がって乗り場へ進みます。後ろの壁をロッククライミングしている人がいて驚きましたが、ここは世界でも最大規模の市街地で出来るロッククライミングの場所でもあるそうです。
料金
大人往復チケット1枚80レアル。カードも使えます。
運転時間
8:00~19:50
所要時間
ロープエウィ乗車時間はそれぞれ3分。初めにロープウェイ乗り場からウルカの丘に登り、ウルカの丘から再度ロープウェイに乗りポンヂアスーカルへ移動します。
ウルカの丘、ポンヂアスーカルともに、外に向かってベンチが設置されています。ウルカの丘のほうがスペースが広く、読書をしたり、おしゃべりをしたりとのんびり過ごしている人が多かったです。
どちらも屋外施設ですが清潔感のある空間で、ビールやコーヒーを飲みながら過ごせます。ロッククライマーを除けばロープウェイでしか来られない場所なので、安全度の高い空間になっていて、スリなどの心配をせずに写真撮影も出来ます。
ウルカの丘からの景色です。手前に見える船がおもちゃのようでした。
同じ場所での夜景バージョンです。暗くなると白い建物が不思議な雰囲気で浮かび上がって見えました。
別の角度からはコパカバーナ海岸の夕焼けが見られたり、
ライトアップされたコルコバードの丘のキリスト像が見えます。
景色を楽しんだ後、麓にある小さなビーチ、ベルメーリャ海岸(Praia Vermelha。Google mapでRed Beachと書かれている場所)に立ち寄りました。
コパカバーナをはじめとするリオデジャネイロの代表的なビーチは、安全のために日が暮れたら決してビーチで遊ばないことが鉄則ですが、ベルメーリャ海岸は違いました。こじんまりとはしていますが、屋台で売られる飲み物と軽食でゆっくり過ごしたり、夜の浜辺で肩寄せ合って語り合うカップルもいます。数メートル間隔で釣り人がいました。
ベルメーリャ海岸から離れる際はタクシーやバスを使ってくださいね。夜間は歩かないことが大原則です。私達はUberで移動しました。
太陽とともにビーチを楽しむなら、リオ市無形文化遺産・コパカバーナ海岸発祥「フレスコボール(Frescobol)」でビーチ遊び!@ブラジル・リオデジャネイロ - handy tips*
もおすすです。Até já!
【現地レポート】フレスコボール大会@コパカバーナビーチ2017
2017年12月9日(土)-10日(日)の2日間、フレスコボール発祥の地コパカバーナビーチにてブラジルフレスコボール協会 (ABRAF=ASSOCIAÇÃO BRASILEIRA DE FRESCOBOL)主催の大会が行われました。今大会では海外勢として初めて日本代表チームが出場。現地入りした日本フレスコボール協会日本代表選手の皆様と共に、目の前で大会を観戦してきました。
You Tubeや他サイトの見様見真似で練習をしてきた私にとって、本物のプレイから感じたのは、フレスコボールは大会というステージで自分達の最高のパフォーマンスに挑む本気のスポーツなんだ、ということです。フレスコボールの思いやり精神はもちろんベースにありますが、パートナーと共に真剣に結果を求める気迫を肌で感じました。 現地の様子をレポートしたいと思います。
◆大会概要
コパカバーナビーチで行われた本大会は、男性プロ、女性プロ、男性アマチュア、女性アマチュア、男女ミックスの部門から成り、延べ110ペアのエントリーがありました(大会前日時点のエントリー表参照)。サルバドールやマカエといったリオデジャネイロ外の都市からも多数の参加があり、普段は別々のビーチで練習をしているペアもいました。大会は、土日ともに朝8時から夜19時まで分刻みで試合スケジュールが組まれ、出場する人もしない人も、コートを囲んでプレイを観戦しながら、コート裏スペースでフレスコボールをしたり、お酒を飲んだりして、その場にいる全員でフレスコボールを楽しみます。
そんな中、コートいう舞台で大会を盛り上げるのが選手です。選手がプレイする5分間はプレゼンテーションの時間。ペアでの打ち合い(ラリー)自体はどちらかの勝敗を決めるものではなく、ペアのラリー内容、パフォーマンスを披露する時間です。5分間の制限時間内に採点項目であるアタック、ラリーの連続性、バランス、激しさからなる得点をいかに獲得するかを考えながら競技します。以下は、ABRAFのホームページより採点の内訳部分の抜粋で、
ATTACKS + SEQUENCE + BALANCE + INTENSITY
290 points of attack per team (= 46.77%);
72 points per attack team backhand or dexterity backhand (= 11.62%);
28 points per high attack team or high dexterity (= 4.51%);
90 points per sequence team (= 14.50%);
70 points per balance team (= 11.30%);
70 points per team of intensity (= 11.30%).
ESTIMATED SCORE FOR THIS RULE = 620 points.
上記の通り620点満点中、最も獲得点の高いペアが優勝します。アタックの配点が高く、激しさも加点対象であるため、見応えのあるスピード感あるラリーが続きます。採点は即時行われ、プレイが終わった瞬間に自分達のパフォーマンス結果が分かります。
◆当日の様子
本気の試合が1日中目の前で繰り広げられ、あっという間に時間が過ぎていきました。下のビデオは男女ミックス優勝ペアの予選時の動画です。テニスボール程のサイズのボールがまるでピンポン玉かのようなスピードで行き来します。
大会中の選手達は、自分の出番まではパートナーと真剣に練習をしますが、出番が終わればその瞬間にビールを飲み始めるのがブラジルスタイル。プロ選手の時間があれば、公式なペアでなくともコート裏の砂浜で一緒にフレスコボールを楽しむシーンが多々ありました。
日本代表チームはアマチュアの部に出場し、橋詰友人・長田涼ペアが第6位、芝卓史・斎藤亮太ペアが第7位という結果を収めました。
「やはりブラジルの層は厚く、厳しさを痛感せざるを得えませんでした。でも、プレー自体はとても納得いくもので、とてもとても楽しかった。思わず笑顔でプレーしてました。(長田涼さん)」
「日本国内のフレスコボーラーたちとともに今まで以上に楽しんで、成長して必ずブラジルに戻りたいと思います。ブラジルの皆さんの暖かさに本当に感謝しています。(橋詰友人さん)」
試合終了後にお互いを称えあう橋詰・長田ペア
「2年間憧れ続けたマルキーニョ選手のプレーが終わったときは感極まって涙が出そうになりました。(芝卓史さん)」
「ブラジルの皆さんに盛り上げて頂き、応援して頂き、最高の環境でフレスコボールができる幸せを感じることができました。(斎藤亮太さん)」
会場から声援を受ける、ラリー中の芝・斎藤ペア
それぞれのコメントから、日本代表チームがブラジルでの大会を楽しんでいた様子が伝わります。ブラジル人も日本人も国籍関係なく、真剣に打ち込む姿はとても眩しかったです。
◆そして再び来年の大会を目指す
ブラジルフレスコボール協会で行われる全ての大会の得点は常にランキングされています。選手達は出勤前のジムならぬフレスコボールに、ビーチに立ち寄る日課になっている人多数、プロの部出場選手は、毎日早朝からコパカバーナビーチにて、マンツーマンレッスンをいくつも抱えていました。脈々と強い選手が生まれ続ける環境が整っており、その環境下で日々の鍛錬を欠かさないことが、あのしなやかな動きを支えているのだと実感しました。
日本では、次回2018年度のブラジル・コパカバーナ大会出場選手枠をかけた一般社団法人 日本フレスコボール協会による大会が2018年2月より始まります。ますますレベルアップしてブラジルに戻るという日本代表選手の皆さん。Road to Rio de Janeiroの旅が再び始まります。夏には体験会も開催され、これから始める方も楽しめるイベントがあるそうです。ブラジル生まれの新感覚スポーツをご一緒しませんか。
そもそもフレスコボールって何?という方は、リオ市無形文化遺産・コパカバーナ海岸発祥「フレスコボール(Frescobol)」でビーチ遊び!@ブラジル・リオデジャネイロ - handy tips*も参照ください。Tchau!
リオデジャネイロのおしゃれな男性用美容室
日本にいてすら難しい、自分に合った美容室探し。ましてや海外では、お店に入るにも勇気がいります。幸いブラジルはサンパウロに日系美容室がありますが、リオデジャネイロにはありません。サンパウロ観光の際は、日系美容室でカットをしてもらいますが、そう頻繁に行くわけでもないため、女性である私はロングスタイルで維持しています。しかし、男性はそうもいかず、夫の会社のブラジル人の同僚にリオデジャネイロでいい美容室はないかと聞いたところ、あの超有名サッカー選手のネイマールも来店したという「Barbearia do Zé」という男性用美容室を教えてもらいました。
私は見学だけのつもりだったのですが、なんと、美容室なのにBarで楽しくおしゃべりしながら生ビールを頂くという稀有な経験をいたしましたので、ここにご報告したいと思います。
店内はとってもおしゃれで、カットの仕上がりは満足、一緒に行った女性もくつろげる、と当初の予想をはるかに上回る体験でした。
◆「Barbearia do Zé」 Botafogo(ボタフォゴ)店の様子
私達にはポルトガル語での電話予約はハードルが高すぎるので、多少待つことも覚悟の上、予約なしで行ってみましたが、すぐに入れました。
店名 Barbearia do Zé BZ Botafogo
(ポルトガル語ですが、Flashの写真から雰囲気が伝わります。)
住所 R. Paulino Fernandes, 29 - Botafogo, Rio de Janeiro - RJ, 22270-050
(私達が今回行った店舗。他コパカバーナなどにもあります。)
建物 2階建て
1階:入り口
入店するとすぐにオリジナルグッズ売り場があり、レセプションが併設されています。
レセプションのお兄さんは英語で対応してくれました。スタッフの方は全員白シャツにサスペンダーを着用。スタイリッシュでかっこいいです。こんな美容室日本で見たことないと、入り口から既にテンションが上がって来ました。
まず、本日のメニューを決めます。髪のカットだけか、髭もか、と聞かれ、そんなに髭がないから髪のカットだけ、と答える日本人の夫(笑)。確かにあれだけ立派な髭があればお手入れも必要だなあ、ブラジル人、なんてことを思っていると、次に、飲み物が1杯ギフト(無料)だが、ビールかコーヒーか何が飲みたいか、と聞かれます。え?ビール?いいんですか⁇驚きと喜びが交錯する土曜の13時※日曜日は定休 ここはもちろん、日本では体験出来ないビールを頼み、席へ移動します。
1階:カットスペース
担当してくれた方はハンチングを被った、優しい雰囲気のお兄さんでした。レセプションの方が希望の髪型の通訳をしてくれました。
先客にはシニアの方もいらっしゃり、客層は幅広そうです。
1階:バースペース
カットスペースの奥にバーコーナーがあります。私は、流暢な英語を話すお兄さんとビールを飲みながらカットが終わるのを待ちます。なんとギフトのビールは生ビール(!)でした。
パーにいる方はバー専任のプロバーテンダーで、美容師免許は持っていないそうです。髪を切るついでにある場所ではなく、カットもバーも、どちらもプロフェッショナルサービスの場なんですね。
前日にリオ代表対サンパウロ代表チームのサッカーの試合があったそうで、興奮気味に試合の様子を教えてくれました。お話が上手で楽しかったです。
ネイマール来店時の写真が壁にあります。
ビールを持った私が、途中経過をカットスペースに見に行くことも、ビールを飲みながら髪を切られることも、ここでは自然な光景。全く問題ありません。
1階:半屋外のラウンジ
バースペースの更に奥には、ビリヤード台、テーブルが置かれるラウンジスペースが続きます。貸し切りも可能、気軽に飲み物だけ飲みにも是非立ち寄ってね、と熱心に説明してくれました。スナックなどの軽食もとれるそうです。
2階
タトゥを入れる個室があるそうです。
今回のお会計
66レアル(カット+2人とも生ビールを頂いたため1杯分の生ビール代金。2017.12のレートで約2,300円)
◆ブラジルBarbeariaのトレンド
日本にないおしゃれな美容室に驚いたので、ブラジル男性の美容事情を調べてみたら、ブラジルでは男性用美容市場(デオドラント、ヘアケア、シェービングプロダクトなど)が急拡大しているということが分かりました。その1つが、今回体験してきた複合型の男性用美容室。ブラジル(ポルトガル語)では男性用美容室をBarbeariaと言いますが、2015年以降、複合型Barbeariaのフランチャイズチェーンが倍に増えているそうです。
フランチャイザー毎に多少のスタイルの違いはありますが、複合型というのは主に「お店の形態」「サービス」のどちらも指し、エンターテイメントやビジネス要素を持つ空間(私達が行ったようなビリヤードスペースや、ビジネスミーティングの出来る場所など)を併設したり、カット中にフリードリンクを提供しています。各席には雑誌だけでなく、TVやビデオゲームを設置し、クラフトビールを置いたりしているそうです。
ブラジルは現在世界第二位の男性用美容市場の規模になり、このまま年7.1%の成長を続けると2019年には現在首位のアメリカを抜き、世界一の規模(US6.7billion)になると 調査機関Euromonitor Internationalのデータもありました。
キーワードはSuper VainとHipster Cultureとのことで、ブラジル男性はプライベートにもビジネスでの成功にも見た目は大事であると考えており、自分はかなり気にするSuper Vainとの回答者は43%という調査結果があるそうです。(ブラジルのABIHPEC =the Brazilian Association of the Cosmetic, Toiletry and Fragrance Industry調べ)また、Hipster Cultureが流行していて、トレンドの髪(&髭)型への意識の高まりもあり、昨今の美容市場の拡大を支えているんだそうです。※Hipsterのイメージはトップ画像のようなスタイル
確かに、ビーチにいる男女は肩の力の抜けた、それでいてお洒落な雰囲気で、とっても素敵だと思っていました。
もし中長期でリオデジャネイロに滞在するようなら、地球の裏のトレンド体験に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。ブラジルの女性向け化粧品事情についてはこちらブラジルで買える化粧水・お肌ケアアイテム - handy tips*にまとめています。Tchau!