【現地レポート】フレスコボール大会@コパカバーナビーチ2017

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 2017年12月9日(土)-10日(日)の2日間、フレスコボール発祥の地コパカバーナビーチにてブラジルフレスコボール協会 (ABRAF=ASSOCIAÇÃO BRASILEIRA DE FRESCOBOL)主催の大会が行われました。今大会では海外勢として初めて日本代表チームが出場。現地入りした日本フレスコボール協会日本代表選手の皆様と共に、目の前で大会を観戦してきました。

 You Tubeや他サイトの見様見真似で練習をしてきた私にとって、本物のプレイから感じたのは、フレスコボールは大会というステージで自分達の最高のパフォーマンスに挑む本気のスポーツなんだ、ということです。フレスコボールの思いやり精神はもちろんベースにありますが、パートナーと共に真剣に結果を求める気迫を肌で感じました。 現地の様子をレポートしたいと思います。

◆大会概要

 コパカバーナビーチで行われた本大会は、男性プロ、女性プロ、男性アマチュア、女性アマチュア、男女ミックスの部門から成り、延べ110ペアのエントリーがありました(大会前日時点のエントリー表参照)。サルバドールやマカエといったリオデジャネイロ外の都市からも多数の参加があり、普段は別々のビーチで練習をしているペアもいました。大会は、土日ともに朝8時から夜19時まで分刻みで試合スケジュールが組まれ、出場する人もしない人も、コートを囲んでプレイを観戦しながら、コート裏スペースでフレスコボールをしたり、お酒を飲んだりして、その場にいる全員でフレスコボールを楽しみます。

 そんな中、コートいう舞台で大会を盛り上げるのが選手です。選手がプレイする5分間はプレゼンテーションの時間。ペアでの打ち合い(ラリー)自体はどちらかの勝敗を決めるものではなく、ペアのラリー内容、パフォーマンスを披露する時間です。5分間の制限時間内に採点項目であるアタック、ラリーの連続性、バランス、激しさからなる得点をいかに獲得するかを考えながら競技します。以下は、ABRAFのホームページより採点の内訳部分の抜粋で、

 

ATTACKS + SEQUENCE + BALANCE + INTENSITY 

290 points of attack per team (= 46.77%);

72 points per attack team backhand or dexterity backhand (= 11.62%); 

28 points per high attack team or high dexterity (= 4.51%); 

90 points per sequence team (= 14.50%); 

70 points per balance team (= 11.30%); 

70 points per team of intensity (= 11.30%). 

ESTIMATED SCORE FOR THIS RULE = 620 points

 

 上記の通り620点満点中、最も獲得点の高いペアが優勝します。アタックの配点が高く、激しさも加点対象であるため、見応えのあるスピード感あるラリーが続きます。採点は即時行われ、プレイが終わった瞬間に自分達のパフォーマンス結果が分かります。

 

◆当日の様子

 本気の試合が1日中目の前で繰り広げられ、あっという間に時間が過ぎていきました。下のビデオは男女ミックス優勝ペアの予選時の動画です。テニスボール程のサイズのボールがまるでピンポン玉かのようなスピードで行き来します。

 大会中の選手達は、自分の出番まではパートナーと真剣に練習をしますが、出番が終わればその瞬間にビールを飲み始めるのがブラジルスタイル。プロ選手の時間があれば、公式なペアでなくともコート裏の砂浜で一緒にフレスコボールを楽しむシーンが多々ありました。

 日本代表チームはアマチュアの部に出場し、橋詰友人・長田涼ペアが第6位、芝卓史・斎藤亮太ペアが第7位という結果を収めました。

「やはりブラジルの層は厚く、厳しさを痛感せざるを得えませんでした。でも、プレー自体はとても納得いくもので、とてもとても楽しかった。思わず笑顔でプレーしてました。(長田涼さん)」

「日本国内のフレスコボーラーたちとともに今まで以上に楽しんで、成長して必ずブラジルに戻りたいと思います。ブラジルの皆さんの暖かさに本当に感謝しています。(橋詰友人さん)」

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試合終了後にお互いを称えあう橋詰・長田ペア

「2年間憧れ続けたマルキーニョ選手のプレーが終わったときは感極まって涙が出そうになりました。(芝卓史さん)」

「ブラジルの皆さんに盛り上げて頂き、応援して頂き、最高の環境でフレスコボールができる幸せを感じることができました。(斎藤亮太さん)」 

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会場から声援を受ける、ラリー中の芝・斎藤ペア 

 それぞれのコメントから、日本代表チームがブラジルでの大会を楽しんでいた様子が伝わります。ブラジル人も日本人も国籍関係なく、真剣に打ち込む姿はとても眩しかったです。

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◆そして再び来年の大会を目指す 

 ブラジルフレスコボール協会で行われる全ての大会の得点は常にランキングされています。選手達は出勤前のジムならぬフレスコボールに、ビーチに立ち寄る日課になっている人多数、プロの部出場選手は、毎日早朝からコパカバーナビーチにて、マンツーマンレッスンをいくつも抱えていました。脈々と強い選手が生まれ続ける環境が整っており、その環境下で日々の鍛錬を欠かさないことが、あのしなやかな動きを支えているのだと実感しました。  

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 日本では、次回2018年度のブラジル・コパカバーナ大会出場選手枠をかけた一般社団法人 日本フレスコボール協会による大会が2018年2月より始まります。ますますレベルアップしてブラジルに戻るという日本代表選手の皆さん。Road to Rio de Janeiroの旅が再び始まります。夏には体験会も開催され、これから始める方も楽しめるイベントがあるそうです。ブラジル生まれの新感覚スポーツをご一緒しませんか。

 そもそもフレスコボールって何?という方は、リオ市無形文化遺産・コパカバーナ海岸発祥「フレスコボール(Frescobol)」でビーチ遊び!@ブラジル・リオデジャネイロ - handy tips*も参照ください。Tchau!